覚醒剤覚醒剤、シャブで逮捕されたらどうなる
覚せい剤事件の解決のポイント
目次
- 1 覚せい剤事件の解決のポイント
- 2 Q 覚せい剤トラブルの罪の「刑罰の重さ」はどれくらいですか?
- 3 Q 一人で覚せい剤を使いました。私は「逮捕」されますか?
- 4 Q 覚せい剤を使った後に警察で「尿検査」を受けました。逮捕されますか?
- 5 Q 覚せい剤の容疑で逮捕されました。逮捕後の「見通し」を教えてください。
- 6 Q 覚せい剤の容疑で逮捕されました。いつ「釈放」されますか?
- 7 Q 覚せい剤事件の「保釈」にはどれくらいの「保釈金」が必要ですか?
- 8 Q 覚せい剤の容疑で逮捕されました。私に「前科」は付きますか?
- 9 Q 覚せい剤を使って逮捕されました。「刑罰の重さ」はどれくらいですか?
- 10 Q 覚せい剤で裁判を受けることになりました。「執行猶予」は付きますか?
Q 覚せい剤トラブルの罪の「刑罰の重さ」はどれくらいですか?
覚せい剤に関する罪は、覚せい剤取締法に定められています。覚せい剤に関する罪には、大きく、覚せい剤の輸入、輸出、所持、譲渡、譲受、使用、製造があります。
①輸入、輸出は、1年以上20年以下の懲役、②営利目的の場合は無期若しくは3年以上20年以下の懲役又は情状により無期若しくは3年以上20年以下の懲役及び1000万円以下の罰金と定められています。
③所持、譲渡、譲受、使用、製造は1カ月以上10年以下の懲役、④営利目的の場合は1年以上20年以下の懲役又は情状により1年以上20年以下の懲役及び500万円以下の罰金と定められています。
<規定される懲役刑の長さ>
①輸入、輸出 | 1年以上20年以下 |
---|---|
②営利目的の輸入、輸出 | 無期若しくは3年以上20年以下※ |
③所持、譲渡、譲受、使用、製造 | 1カ月以上10年以下 |
④営利目的の所持、譲渡、譲受、使用、製造 | 1年以上20年以下※ |
※情状により罰金が併科される場合あり
Q 一人で覚せい剤を使いました。私は「逮捕」されますか?
覚せい剤の使用の罪で逮捕されるのは、尿検査で陽性反応が出た場合がほとんどです。尿検査で陽性反応が出なければ、覚せい剤使用の証拠がないとして、逮捕されないケースが多いです。
尿から覚せい剤の成分が検出された場合には、例え1回だけの使用でも逮捕されます。覚せい剤が尿から検出される期間は、覚せい剤を使った日から2週間程といわれています。
そのため、覚せい剤の使用から2週間経過後に尿検査を受けた場合は、尿から覚せい剤成分は検出されることはほぼないといえます。
Q 覚せい剤を使った後に警察で「尿検査」を受けました。逮捕されますか?
尿検査で尿から覚せい剤の成分が検出された場合は、基本的には、覚せい剤使用の容疑で逮捕されることになります。
これに対して、覚せい剤の使用では、尿検査以外に有力な証拠が少ないため、尿から覚せい剤の成分が検出されなかった場合は、逮捕されないことがほとんどです。もちろん、覚せい剤そのものを所持していた場合は、覚せい剤所持の容疑で逮捕されることになります。
Q 覚せい剤の容疑で逮捕されました。逮捕後の「見通し」を教えてください。
覚せい剤の容疑で逮捕されるのは、①職務質問や家宅捜索で覚せい剤を発見・没収された、②尿から覚せい剤の成分が検出された等の有力な証拠が既に揃っている場合がほとんどです。
覚せい剤に関する罪は、非常に運用が厳格です。たった1回の使用でも、尿検査が陽性だった以上は、起訴猶予で不起訴になることはまずないです。
覚せい剤の使用ではなく、譲り受けや譲り渡しの罪で逮捕された場合は、嫌疑が不十分であるとして不起訴になることがしばしばあります。この場合、覚せい剤の前科が付かないので、その後の社会復帰がスムーズです。
事件が起訴された後は、保釈が認められない限り、留置場での生活を強いられます。覚せい剤使用事件においては、150万円〜200万円で保釈が許可されるケースが多いです。容疑を認めており、裁判でも執行猶予が見込まれる場合は、比較的スムーズに保釈が許可されます。
刑罰は、初犯で単純な覚せい剤事件の場合は、懲役1年6カ月に執行猶予が付くのが相場といえます。執行猶予が付いた場合、刑務所に行く必要はないですし、執行猶予期間が経過すると刑は効力を失うことになります。
覚せい剤の所持・譲渡・譲受のうち、覚せい剤密売組織等との関係が疑われる場合には、保釈が認められないケース、執行猶予が付かないケースも多いので、注意が必要です。
Q 覚せい剤の容疑で逮捕されました。いつ「釈放」されますか?
覚せい剤事件で一度逮捕された後に釈放されるタイミングは、①不起訴になった場合、②保釈が許可された場合、③執行猶予になった場合の3つに大別することができます。
まず①ですが、覚せい剤事件で逮捕されても事件が起訴されなければ、留置場から釈放されます。勾留には時間制限があり、事件が起訴されない限り、勾留の満期日に釈放されることになるからです。
次に②ですが、覚せい剤事件で逮捕され、事件が起訴されても、保釈が許可されれば留置場から釈放されます。覚せい剤事件の保釈金は、150万円〜200万円程度のことが多いです。保釈も、事件の具体的な内容にもよりますが、比較的許可されやすいといえます。
さらに③ですが、覚せい剤事件で逮捕、起訴され、保釈が認められなくても、判決で執行猶予が付けば、留置場や拘置所から釈放されます。執行猶予が言い渡されれば、判決の日にそのまま自宅に帰ることができます。
Q 覚せい剤事件の「保釈」にはどれくらいの「保釈金」が必要ですか?
一般論としては、150万円から200万円で保釈が許可されることが多いです。覚せい剤事件は、被害者がおらず、また既に有力な証拠が揃っている場合が多いため、覚せい剤密売組織との関係が疑われるような場合でなければ、比較的保釈が許可されやすい事件だといえます。
保釈は、保証金を支払う代わりに被告人を刑事施設から釈放するという制度です。そのため、保釈金の金額は、どの程度の金額に設定すれば被告人の逃亡を防げるかという観点から、個別の事情を考慮して決定されます。
150万円から200万円の保釈金とは、あくまで一般論で、実際には、所得が少ないの方ですと保証金の額が低くなるケースもありますし、芸能人等の収入が多い方ですと保証金の額が跳ね上がるケースもあります。
Q 覚せい剤の容疑で逮捕されました。私に「前科」は付きますか?
前科とは、有罪判決を受けたことの履歴をいいます。前科が付くかどうかは、①事件が起訴されるか、②起訴された事件に有罪判決が下されるか、にかかっています。逮捕だけでは前科は付きません。
覚せい剤事件の場合は、尿検査が陽性であれば、基本的に事件は起訴され、有罪判決が下されます。この場合、覚せい剤使用の前科が付くことになります。
これに対して、覚せい剤事件でも、覚せい剤が押収されておらず、譲渡しや譲受けの容疑だけで逮捕された場合は、最終的に嫌疑不十分の不起訴で終わり、前科が付かないケースもしばしばあります。
逮捕された後に前科が付かないように対処するには、専門家の弁護士のサポートを受けるのが一番です。経験豊かな弁護士のアドバイスにもとづけば、前科が付かない最善の道を選択することができます。
Q 覚せい剤を使って逮捕されました。「刑罰の重さ」はどれくらいですか?
刑罰の重さは、事件の内容や前科の有無等によって異なってきます。
初犯で単純な覚せい剤の使用や所持の事件であれば、懲役1年6カ月に執行猶予3年の判決が下されるケースがほとんどです。この場合、判決に執行猶予が付いているため、刑務所に行く必要はなく、そのまま自宅に帰れます。
警察に発覚する前に自首した場合で懲役が数カ月短縮されたケースや、他人に半分強制的に覚せい剤を使わされた場合で同じく懲役が数カ月短縮されたケースがありますが、例外的なケースといえます。
覚せい剤の前科があるにもかかわらず、再び覚せい剤を使用した場合は、執行猶予が付かず、1年〜2年の実刑判決になるケースが多いです。この場合は、判決が確定した後、刑務所に収監されることになります。
もっとも、例外的に、前回の覚せい剤事件から10年近くの期間が経過していたり、更生が期待できたりする特別な事情がある場合には、執行猶予(保護観察付きの執行猶予)が付くこともあります。
Q 覚せい剤で裁判を受けることになりました。「執行猶予」は付きますか?
初犯の覚せい剤事件であれば、執行猶予が付くケースが多いです。特に、単純な覚せい剤の使用事件や、譲り受け事件であれば、罪を認めて反省していれば、まず間違いなく執行猶予になると考えて問題ありません。
執行猶予になれば、直ちには刑務所に収監されないので、判決が言い渡された日は、そのまま自宅に帰ることができます。保釈が認められず勾留中のままでも、執行猶予判決によって勾留状態から釈放されます。
初犯でも執行猶予が付かないケースというのは、所持していた覚せい剤の量が数グラム以上と多量である場合や、営利目的で覚せい剤を所持・譲渡し・譲受けをしていたような場合です。輸入事件も、まず執行猶予は付きません。
また、覚せい剤の前科があるにもかかわらず、前回の裁判から6、7年以内に再び覚せい剤の事件を起こしてしまった場合は、基本的には実刑判決が下されます。
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