暴行、傷害暴行、傷害で逮捕されたらどうなる
暴行、傷害事件の解決のポイント
目次
- 1 暴行、傷害事件の解決のポイント
- 2 Q 人を殴ってケガをさせてしまいました。何の「犯罪」になりますか?
- 3 Q 3年前に知り合いを殴ってしまいました。「時効」は成立していますか?
- 4 Q 人に暴力を振るってしまいました。私は「逮捕」されますか?
- 5 Q 知り合いに暴力を振るってしまいました。「刑罰」はどれくらいですか?
- 6 Q 知り合いを殴ってしまいました。「示談金」はどのくらいですか?
- 7 Q 暴行や傷害事件で「示談」をすると、どんなメリットがありますか?
- 8 Q 知り合いに暴力を振るってしまいました。会社は「クビ」になりますか?
- 9 Q 知り合いに暴行を振るって逮捕されました。いつ「釈放」されますか?
- 10 Q 知り合いに暴力を振るってしまいました。「前科」は付きますか?
- 11 Q 傷害で「前科」が付くと「海外旅行」にいけないのですか?
Q 人を殴ってケガをさせてしまいました。何の「犯罪」になりますか?
本件の場合、暴行罪ではなく、傷害罪が成立します。
暴行罪は、法律上、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」と規定されています。「暴行」とは、人に暴力を振るうことをいいます。
傷害罪は、法律上、「人の身体を傷害した」ときと規定されています。「傷害」とは、人の身体にケガなどの異変を生じさせることをいいます。
暴行罪は「傷害するに至らなかった」ことが必要ですから、人に暴力を振るったことによってケガをさせてしまった場合は、暴行罪ではなく傷害罪が成立します。
Q 3年前に知り合いを殴ってしまいました。「時効」は成立していますか?
人を殴ってしまった場合でも、法律上、公訴時効といって、一定の期間が経過すると殴ってしまったことが罪に問われなくなります。
人を殴ってしまった場合、ケガをさせていなければ「暴行罪」にあたり、ケガをさせてしまうと「傷害罪」にあたります。
暴行罪の公訴時効は3年と規定されていて、傷害罪の公訴時効は10年とされています。そのため、時効が成立しているか否かは、相手が傷害を負ったか否かで変わります。
Q 人に暴力を振るってしまいました。私は「逮捕」されますか?
逮捕されるかは、事件の内容によって異なります。
人に暴力を振るう行為には、暴行罪又は傷害罪が成立します。しかし、一言に暴行罪又は傷害罪といっても、逮捕の必要性は、事件の内容や当事者間の関係によって異なります。
暴行罪は、傷害罪と比べて軽い犯罪ですが、ストーカーが発展して暴行に至ったようなケースや、凶器を用いて相手に襲いかかったようなケースでは、逮捕される可能性が高いです。
これに対して、傷害罪が成立する場合でも、傷害の程度が軽く、本人が罪を認めており、証拠隠滅や逃亡のおそれがないケースでは、逮捕されず、在宅事件として手続きが進められることも多いです。
また、逮捕が予定されている事件でも、逮捕の前に弁護士が介入し、相手方と示談を締結することで、逮捕を防ぐことが可能なケースも多いです。当事者間で事件が解決していれば、捜査機関としても「わざわざ逮捕してまで捜査を行う必要はない」との判断に落ち着きやすいからです。
逮捕された後に釈放を希望する場合は、やはり弁護士を立てて、勾留や勾留決定が行われないように当局に働きかけていくことが大切です。
Q 知り合いに暴力を振るってしまいました。「刑罰」はどれくらいですか?
人に暴力を振るってしまった場合、ケガをさせていなければ「暴行罪」にあたり、ケガをさせてしまうと「傷害罪」にあたります。
「暴行罪」の刑罰は、2年以下の懲役、30万円以下の罰金、30日未満の拘留、1万円未満の科料のいずれかと規定されています。これに対して、「傷害罪」の刑罰は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金と規定されています。
「暴行罪」や「傷害罪」で、実際にどれくらいの重さの刑が科せられるかは、武器の使用の有無、傷害の程度、示談の成否など、事件の具体的な事情が考慮された上で、裁判官によって決定されます。
一般論としては、暴行罪だと罰金、傷害罪だと罰金か懲役になるケースが多いです。もちろん、捜査段階で相手方と示談が成立すれば、不起訴処分で事件が解決し、一切の刑罰を受けないケースも多くあります。
Q 知り合いを殴ってしまいました。「示談金」はどのくらいですか?
示談とは、当事者間のトラブルを当事者間で解決することをいいます。そのため、示談金には決まった額はありません。
民事裁判の賠償額や、刑事事件の罰金の上限が基準となることもありますが、これらも一定の目安にすぎません。最終的には、「当事者が納得した額」が示談金の金額になります。
過去に取り扱ったケースを見てみると、おおよそですが、「暴行罪」の場合は10万円から30万円の範囲で示談が成立するケースが多いです。被害者がケガをしてしまって「傷害罪」にあたる場合は、総額で示談金数十万円程度のことも多いですが、100万円を優に超えるケースもあります。
被害者の怒りが激しい場合や、被害者のケガの程度がひどい場合等は、金額が相場よりも跳ね上がることがあります。
弁護士を立てて対応すれば、相手方と上手に交渉して、示談金が安くなるケースもあります。他方で、刑事事件においては、確実に示談を成立させるために、あえて高めの金額を提示することもしばしばあります。
Q 暴行や傷害事件で「示談」をすると、どんなメリットがありますか?
示談とは、当事者間のトラブルを当事者間で解決することをいいます。
示談が成立すれば、当事者間ではトラブルが解決したことになるので、その後に相手方から追加のお金を請求されないというメリットがあります。また、請求されても、支払いを拒むことが可能です。
また、警察が事件に介入する前に示談が成立すれば、逮捕や警察沙汰を回避することができるというメリットがあります。警察が介入した後であっても、示談が成立すれば、不起訴処分で事件が解決する可能性が高まります。
示談で不起訴処分になれば、暴行や傷害の前科は絶対に付かないので、その後の社会復帰がスムーズです。付随的に、解雇されない、退学にならないというメリットを受けられるケースも多いです。
Q 知り合いに暴力を振るってしまいました。会社は「クビ」になりますか?
暴行事件で捕まっても、会社をクビにならないケースは実は多いです。その後の対応次第では、弁護活動で示談が成立し、不起訴処分を得て、前科が付かない場合などがあるからです。
まず、警察が介入する前に、相手方と示談を成立させて、当事者間でトラブルを解決してしまえば、警察に通報されることはありません。そのため、会社に事件のことを知られることもまず考えられません。
仮に逮捕されてしまった場合でも、相手方と示談が成立していれば、釈放が予定よりも早まり、前科が付かずに事件が終了することも多いです。このような場合は、会社としても「直ちに解雇」という判断にはなりにくいです。
また、暴行事件が何らかの理由で会社の解雇事由に当たってしまった場合でも、弁護士から社長に意見書を差し入れることによって、会社をクビにならないで済んだケースもあります。
Q 知り合いに暴行を振るって逮捕されました。いつ「釈放」されますか?
暴行事件で逮捕された後に釈放されるタイミングは、①勾留されなかった場合、②起訴されなかった場合、③保釈が許可された場合(又は保釈不許可でも執行猶予判決になった場合)の3つに大別することができます。
まず①ですが、暴行事件で逮捕されても、その後に勾留が決定されなかった場合は、留置場から直ちに釈放されます。弁護士が当局に意見書等を提出することで、勾留決定を阻止できる可能性が高まります。
次に②ですが、暴行事件で逮捕・勾留されても、事件が不起訴処分で終われば、留置場から釈放され、自宅に帰ることができます。不起訴になるケースは、示談が成立している場合や、証拠が不十分な場合などです。
さらに③ですが、暴行事件で逮捕・勾留・起訴されても、保釈が許可されれば、自宅に帰ることができます。裁判が終われば、保釈金は全額返金されます。保釈金の金額は、150万円程度のことが多いです。
Q 知り合いに暴力を振るってしまいました。「前科」は付きますか?
前科とは、有罪判決を受けたことの履歴をいいます。前科を付けないためには、①事件が起訴されない、又は②起訴された事件に有罪判決が下されないことが必要です。
この点、注意を要するのは罰金の場合です。罰金も、略式手続という裁判で有罪になったときに支払うものですから、「前科」にあたります。
暴行事件において、前科を付けないためには、相手方と示談を締結し、起訴猶予で不起訴処分を求めることが有効です。不起訴になると、裁判を受けることがないので、前科は絶対に付かないからです。
Q 傷害で「前科」が付くと「海外旅行」にいけないのですか?
海外旅行に行くときは、行き先の国で入国審査を受けます。その入国審査の基準は、其々の国によって異なりますし、時期によって変わることもあります。そのため、一概に海外旅行に行ける/行けないとは判断できません。
一般論としては、傷害の罰金前科程度であれば、海外旅行が禁止されることは少ないです。傷害の前科でも、刑務所に収監されてしまったようなケースでは、ビザの発行を受けるのが厳しくなります。
外資系企業に勤めているなどの事情で海外に行く機会が多い方は、事件を不起訴処分で終わらせることで、前科が付くことを回避することができます。不起訴になれば、前科は絶対に付かないので、海外旅行・海外渡航との関係で特に心配する必要はなくなります。
傷害事件を不起訴処分で終わらせるためには、弁護士を立てて、相手方と示談を締結するのが一番です。法律の専門家である弁護士であれば、民事的にも刑事的にも有効な示談を締結することができるからです。
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